吉夢通信
弥生月によせて・・・・・・。
2011年03月29日
posted by 吉夢
穏やかな海と青い空、
いつもと変わらぬ3時に近い、午後の風景でした。
あの時間が、訪れるまでは・・・・・。
被害は日を追う事に拡がりをみせ、
未だ長いトンネルから抜けだせない状態にあり、
戦後の復興のようだと、八幡屋の女将さんがおっしゃったが、
まさにその通り。
吉夢も、毎年3月は、花の房総と銘打ち、
今年は例年よりも、沢山のお客様の予約を頂戴しておりました。
その日を境に、こんなガランとした館内を見るとは、予想だにしないことでした。
予約に掛かってくる電話はキャンセルのみ、
しかし明けない朝は無いと信じ、
前を向いて歩くことに、専念したい。
有り難い事に、今日お忙しい中、お越し下さったメーンバンクの支店長さんが、
「社長、上を向いて行きましょう!!」と、優しく背中を押して下さった・・・・と聞き感激!
見渡せばこの時とばかりに、大掃除に取り掛かる客室係さん、飛び回る施設管理さん、
ロビー周りのガラス、鏡、椅子を一心に拭くフロントさん、
自宅待機の社員さん、
ご心配下さり、励ましの電話を下さった沢山の方々、
皆で共にこの山を、手を携えて登りきらなければと・・・思う今日この頃です。
前途は遠い。そして暗い。
しかし恐れてはならぬ。
恐れない者の前に道は開ける。
行け。勇んで。小さき者よ。
( 有島武郎 『小さき者へ』より )