吉夢通信
暮古月によせて・・・・・。
今年も余日少なくなりました。
吉夢の重大ニュースは、
やはり後にも先にも、東日本大震災をおいて浮かびません。
お陰様で通常の生活に戻りつつある私達とは裏腹に、
いまだ、多くの困難を抱えて生活をおくられている、被災地の皆様のことは、
決して忘れてはいけない、風化させてはならないことでございます。
3月12日からのキャンセルの嵐、
ガラーンとした館内は、閉館時の遊園地の様・・・。
お客様がいらして、社員さんが走り回って、
音がして、匂いがして、活気があって、
それが・・・計画停電、節電と、すべてが遮断され、
ホテルは生きものだと、つくづく思い知らされた早春でした。
日蓮聖人が佐渡に流され、
住居として与えられたのは、
死人を捨てる塚原の中のあばら屋のお堂で、
わずか畳二枚の広さで、衣食にも事欠き、
吹き込む風雪を蓑を着てしのぐという毎日の中で、
ご聖人は 『私は日本第一の富める者』 と、おっしゃられたとか。
私にとりましても、何ひとつとっても無駄の無い学びの年となり、
辛く、困難と思える道を歩めば歩むほど、
折々に出会う、ひと様の情けが身に沁み、自然と手が合わさり、
次のステップへの、地固めともなる充実した1年を頂けたと、
感謝で振り返ることのできる、
有る事が難しい、有り難い年となりました。
激動の年の終わりに、
今年一年、賜りました数々のご厚情に、深くこうべを垂れ御礼申し上げ、
来る年が、皆様にとりましても、
実り多い年になりますよう、祈るものでございます。
只々 感謝!!
お前はお前で丁度良い
顔も体も名前も姓も、それはお前に丁度良い
貧も富も親も子も、息子の嫁もその孫も
幸も不幸も喜びも、悲しみさえも丁度よい
歩いたお前の人生は、悪くもなければ良くもない
お前にとって丁度良い
地獄へ行こうと極楽へ行こうと、行ったところが丁度良い
うぬぼれることも無ければ、卑下することも無い
上も無ければ下も無い、死ぬ月日さえも丁度良い
御仏と二人連れのこの人生が
丁度良くないはずが無い
お前にそれは丁度良い
( 禅僧 良寛和尚 )
( 大本山 誕生寺境内 波の伊八の館 )
( 天台宗 荒 了寛師 )