吉夢通信
風待月によせて・・・・。
紫陽花や百合等の花の美しい季節となりました。
気象庁によりますと、今年は猛暑とのこと、
熱中症対策と、マスコミでも今から盛んに報じており、
どうぞ皆さまも充分お気をつけくださいますよう、
お願い申し上げます。
さて先日、文化人類学者の上田紀行氏のコラムが目に留まりました。
2010年に、米国、中国、韓国、日本の高校生、
千人ずつに対して行ったアンケート調査の報告で、
「私は先生に優秀だと認められている」に対して、
「全くそうだ」と「まあそうだ」を合わせた割合は、
韓国40%、中国54%、米国82%に対して、
日本は18%。
「親は私が優秀だと思っている」は、
韓国74%、中国89%、米国91%、日本33%、
「自分が優秀だと思う」は、
韓国47%、中国67%、米国88%、日本15%。
なぜ日本の子ども達は自分を優秀だと思えないのか。
それは大人たちから、
「おまえは優秀だ」といわれていないからで、
とりわけ親たちからそう言われていないことが見て取れると。
しかし日本人からすれば、
米国、韓国、中国の生徒が自分は優秀だと思っていることのほうが、
不思議に思える。
恐らくその秘密は、
「優秀さ」が学業だけで判断され、
「お前は心が優しくて、ほんとうにうれしい」
「この前のスピーチは感動的だったよ」と、
親が素晴しいところをほめる。
子供の教育の為ではなく、本当に両親がそのことを誇りに思っている、
ところが日本の「優秀さ」は、
学校の格付けや成績の序列に一元化されているため、
多くの生徒たちは自分たちが優秀だなどとはまったく思えないでいると。
「私は価値ある人間だと思う」は、
韓国75%、中国88%、米国89%、日本36%で、
それに対して、「あまりそうではない」を46%、
「全然そうではない」を17%の日本の高校生が選ぶ。
( 想像しただけでも、さみしいですよね。)
自分自身に価値があると思えない。優秀だと思えない。
そうした人間が集まったとき、
そこに序列をつけ、相対的な優秀さを競い、
価値の優劣を競うようになるのは当然の帰結であると・・・。
生きていることはかけがえのないこと、
それだけでどんな価値があることか。
そういった骨太な人生哲学を見失っているのは、
子供たちを育てる大人社会のほうで、
子供たちの多様な優秀さのあり方を発見できないのは、
大人が自分自身の優秀さに気づかず、
自らに誇りを持っていないからで、
誇りのない人間は誇りのない人間を育てる。
その悪循環から今こそ脱し、自分に誇りを持ち、
こんな素敵な子どもを持ったことに誇りを持つ、
そうすれば、人生はどんなに幸せなことだろうか。
と、そのような内容でございました。
私も4人の子の母として、
またお預かりしている社員さんの吉夢の母として、
それぞれの持つキラリと光る特性を見つけ伸ばし、
温かな言葉がけで育てていければと、至らぬ者ながら願っております。
7月を迎えますと、待ちに待った夏休み、
今年も、お子さま広場や卓球等、
ご家族皆で楽しんで頂ける催しものを、
社員さんと話し合って、ご用意したいと考えております。
梅雨の合間の青空の下、今日も生かされ深く感謝!!
「やってみせ 言って聞かせて させてみて
ほめてやらねば 人は動かじ」
「話し合い 耳を傾け 承認し
任せてやらねば 人は育たず」
「やっている 姿を感謝で見守って
信頼せねば 人は実らず」
(海軍大将 山本 五十六 人材育成の心得より)