吉夢通信一覧 女将
暮古月によせて・・・。
会長がお元気だった頃に植えた、庭の水仙が、
今年も、寒い中真っ直ぐと咲き、
その芳しい香りは、
年末でちょっと疲弊した身体に、清々しい息吹を下さり、
仏様に上げる花くらいは、家で作らないと・・が、
口癖の何事にも「しまつ」の方で、
我が家のご宝前にも、今は水仙が上がっております。
年末年始と沢山のお客様をお迎えする時期となり、
1階ロビー脇、喫煙室よりトイレ前、珊瑚のご宴会場を、
フローリングに替える工事も、無事に済みまして、
今、サッパリとした気持ちで新年を迎えさせて頂けます。
1階、2階、3階、別亭1階の喫煙室の増室で、
館内のクリーン化も一段と増し、
ロビー1階はやはり使用頻度が一番高いですが、
2階、3階はそれよりも大きくとらせて頂きましたので、
ごゆっくりと、ご一服燻らして頂けます。
これからも快適にお過ごし頂けるよう、努めてまいりますので、
ご協力の程、お願い申し上げます。
来年早々から始まる客室リニューアル工事は、
好評を頂いているファミリールーム1室、
ジャグジー露天風呂付き2ベットと畳のお部屋3室、
8階の貴賓室等々、5室に絞りましての改装となります。
約5ヶ月間の工事となり、お越し下さったお客さまへの配慮は、
充分にさせて頂く所存でございますので、
ご寛容の程、伏してお願い申し上げます。
今年も別れあり、出逢いありの、様々な事のあった一年でございました。
その折々の経験は、常に何がしかの気付きをもたらして下さり、
今もって成長の過程に居る我を省みるよすがと、日々なっております。
お客さまはもとより、出入りの業者さん、
社員さんの心強い後押し、諸々の目には見えない働きに支えられてまして、
師走を迎えられることが出来ました事に、感慨無量の一言です。
今年も賜りました沢山のお陰様に、深く御礼申し上げ、
来たる年も何卒倍旧のご贔屓頂けますよう、
心よりお願い申し上げます。
冬の海は、どこまでも透明度を増し、
沈む夕陽の美しさ、潔さは何物にも変えがたい『一日一生』を、
常に私共に語りかけてまいります。
今日も変わらぬ大自然の営みの中、今日も生かされ深い感謝!!
先日、幹部さんより、
11月にご家庭の事情でお辞めになった元客室係さんが、
お正月の数日間、働いて下さるとの事、
猫の手も借りたい繁忙期に、
高校を卒業して以来、この仕事につき、
お正月らしいお正月も迎えられず、
今年くらいゆっくりと・・と、考えても当たり前の中、
なんとも有り難い知らせに、心ウルウル・・。
数日前も、入院中のお父様の容態が急変したとの報せに、
涙で急ぎ女子寮より自宅に向かった客室係さん、
翌日、持ち直したと、即ユーターンして、お仕事に復帰して下さり、
まだ社会人になって数年の、
20代の彼女達の無心のけなげさに支えられ、
吉夢は・・私は・・今が在るのでございます。
そのような真っ直ぐな社員さん方に、いつも心を寄せ、
これからも感謝を忘れず、思いをかけていきたいと、
強く祈る師走のこの頃です。
霜月によせて・・・。
こちら房総では、遅い紅葉で、木々がやっと色づき始め、
日一日と秋色が、深まってまいりました。
気が付けば、11月も後数日となり、
只今、急いでパソコンに向かっております。
11月は、バスでの遠い団体のお客様が多くおみえで、
館内は、夏の賑いとはまた違った、活気で有り難い事でございます。
ホテルは、接客というソフトの面と、
お客さまを常に気持ちよくお迎えする為、
またスタッフの方が、少しでも働き易く動ける為の、
ハードの部分にも常に心を砕き、改装、リフォームを行っております。
先日も、日本を代表するリゾート施設、TDLの着ぐるみの女性を、
千葉県労働基準監督署が労災認定していた事を、ニュースで知りました。
決して私共でも、他人事では済まされない問題でございまして、
同業のホテル、旅館さんでも、働く方々の為に、色々知恵を絞られ、
お客さまの目に見えない、バックの部分にも、
働き易さに重きを置いている事を良く聞き、
その部分が、お宿業の雇用の要になると、私は最近、とみに考えております。
人は、日々の動き、モノの捉え方、問題への扱い方、言動すべてが、
その人なりを作り、それを見、すべてをひっくるめて、
1人の者として見て、見られている訳でして、
何を語るか・・より、何をするか・・という行動に、
私自身は重きを置き気をつけております。
『後ろ姿で人を導く』と、幼少の頃から聞いて育ちましたが、
身近にそれを体現する2人の母に、めぐり会えました事は、
今でも、折々の姿を思い出しては、私の心の財産となっております。
11月16日、30年という月日を、
吉夢に奉職下さった方が、天に召され、
有志の方々と、お別れのご挨拶に行ってまいりました。
良く動き、人一倍働き者で、ゆっくり歩いているところ等、
一度も見たことの無い女性でした。
だから、私達の視界から、あっという間に見えなくなったと思いましたら、
音もたてずに、さっと天国に召されてしまわれました。
生老病死、諸行無常と申しますが、
生きるという事は、生きていくという事は、
様々な神仏からの問いかけに、
精一杯熟慮を重ね、より良い解決の道をたぐり寄せながら、
歩いて行くものなのだろうと・・もの思うこの頃、
オレンジ色の夕陽に心癒され、今日も生かされ深い感謝!!
11月は、慶ばしいホットなニュースも届けられ、
スタッフが、吉夢通信でもお知らせいたしましたが、
長い間のご精進が、晴れて実り、
渡邊調理長が、「現代の名工」の栄誉に輝きました。
私も社長共々、大きな喜びのお福分けを頂きました。
〈 賞というものの欲しきにあらざれど
糟糠の妻に贈らむと思ふ 〉
菊池寛賞受賞の際の白川 静氏の歌が、心に浮かびました。
日々、陰役に徹しておられる奥様へも、
感謝の言葉を、お伝えしたいと存じます。
神無月によせて・・・。
路地には、コスモス、
山々はほんの僅かづつですが、
秋色に染まり始めました。
大型台風の直撃は、大潮、高波と合わさり、
小湊の一部の地域でも停電となり、
ホテルも、エレベーターが止まり、階段でのご利用、
朝食バイキングも真っ暗な中で、召し上がって頂く事になり、
お越し頂いたお客様には、大変ご不便をお掛けいたしましたが、
皆様、ご不満な顔もされずお帰り下さり、有り難い事でした。
吉夢通信でもお知らせ致しました、喫煙室、
3階、2階共に、無事完成致しまして、
全ての宴会場、カラオケボックス、お食事処を、
全面禁煙とさせて頂くことになりました。
どうぞ、宜しくお願い申し上げます。
毎年恒例、11月12日に行われる誕生寺のお会式、
今年は、日曜日という事もあり、宗教協力、万教同根の旗印の元、
立正佼成会の万灯行進も、千葉教区の殆どの市や県外からもおいで下さり、
今のところ1300名にのぼると、聞いております。
お食事・休憩会場として、会長の時より少しでもお役にたてればと、
館内を全て開放して受け入れさせて頂いております。
誕生寺へお参りにお越し下さり、
勇壮な纏、笛・鉦・太鼓の万灯行列をご覧いただきますように。
吉夢でもスタッフの男性、女性の纏姿が、
今年も見れると今から楽しみでおります。
先日、千葉県菜の花女将会創立10周年の記念式典・祝賀会、
勉強会に、出席させて頂いてまいりました。
顔見知りの女将さん方、皆さんいつもパワー全開!!
それでなくては、それぞれの館を守れない!と、
それぞれの女将さんの顔に、ちゃんと書いてありました。
我をかえりみて反省しきり、また元気を頂き帰ってまいりました。
義母の会長のようにはとてもなれませんが、
最後の責任はとるという、覚悟だけは、
いつも、忘れず持ち続けて行きたいと・・・。
宇宙に恥じない、おのれに恥じない生き方を、
貫き通したいと祈り、願う日々、
天知る 地知る 己知る・・今日も生かされ大きな感謝!!
10月25日付で、退社なさった客室係さんから、お手紙を頂きました。
〈 社長、専務へ 〉
いつも優しく声をかけて下さってありがとうございます。
2011年、震災の年に入社させていただいてから、
あっという間に6年が経ちました。
高校を卒業して、何もできなかった私でしたが、
客室係のお姉さん方はもちろん、部所を問わず様々な方に育てていただき、
一人間としても成長させていただいた日々だったと思います。
何より、沢山のお客様をお迎えして関わっていく毎日は、
私にとって得るものばかりでした。
決して、仕事が苦になって去るわけではありません。
こんな私の接待でも、喜んで下さったり、
感謝や励ましや、お褒めの言葉をいただいたり・・・。
やっぱり、誰かの役に立てるというのは純粋に嬉しいものでしたから。
・・・・・吉夢のみんなが大好きですし、
豊かな自然も大好きですし・・思い出が沢山詰まった鴨川。
社会人として過ごした6年ですが、
私の大切な第2の故郷であり、青春の地です。
今までお世話になりました。
これからも、私らしく笑顔と感謝を忘れず、
何事にも積極的に人生を楽しんで生きていきます。
本当にありがとうございました。
いつも人一倍頑張り屋さんの子でした。
忘れもしない震災の年、内定のままお待ち頂いてからの入社でした。
寂しいですが、涙をのんで・・。
若いんですから、夢を持って!
いつでも、遊びに来て下さい。
こちらこそ、今まで、本当にありがとう。
長月によせて・・・。
我が家の庭のすだちが、今年もタワワに実る季節となりましたが、
脂ののった秋刀魚にギュウっとかけて・・が、
今年はまだ出来ませんで、少し寂しいです。
冬になるとまっ黄色にかわる、金柑も沢山の実が付きはじめました。
館内は、只今2階、3階喫煙所の設置工事に取り掛かっておりまして、
10月始めには、お使い頂けるよう、急ピッチで作業しております。
これで、喫煙場所は、
1階ロビー脇、 2階クラブ横、3階宴会場前、別亭1階と、 4ヶ所で、
ご利用出来るようになります。
随分前に、東京へ行った折、何でこんな所に人だかりが・・等と、
田舎者は不思議でしたが、良く見てみれば、喫煙場所で・・、
喫煙も制限される時代となりました。
吉夢でも、ゆく々は、世相にのっとり客室での喫煙全面禁止を目指しており、
喫煙者のお客様には、大変ご不自由をおかけしますが、
受動喫煙アレルギーの方々もお泊りですので、
決められた喫煙所で、お願いする事になります、
どうぞご理解を頂きたいと、存じます。
いつも書かれております館が古いとの口コミ、
それは、社長共々充分承知いたしておりまして、
平成8年に大きなリニューアル工事を吉亭でしましてから、
21年の歳月が経ち、確かに塩害、劣化の目立つところも多々ございます。
そして、夢亭はそれ以前でございますから、
館内毎年少しづつですが手直しいたし、
10階露天風呂、料亭阿うん、食事処夢あかりの増設、
ご宴会場の畳、襖、障子、 お部屋の畳、襖、寝具、椅子等、
快適にお過ごし頂けるように、 数年ごと、常に心がけております。
昨年改装し好評でしたファミリールーム、ジャグジー露天風呂付き客室、
再度の別室の、来年のリニューアルに向け、
数日前、設計図が上がってまいりました。
8階の貴賓室も、近年ご希望の多いベット対応に向け、
併せて、工事を予定いたしております。
どうしても変えられない館の要の部分は、少しでもご不便の無いように、
そして、いつも社員さんには、 ロボットでは無い、暖かなご接客で、
お客さまに居心地の良い空間をつくりだし、
お過ごし頂けるよう、お願いしております。
口コミ、館内アンケート等は、いつも姿勢を正し読ませて頂いておりますが、
ご不快でお帰りになられましたお客様には、
この場をお借りいたしまして、伏して深くお詫び申し上げ、
これからも、より良いご接待にあたれますように、
謙虚に努めてまいりますので、どうぞお許し願いたいと存じます。
起こるすべては我が身から・・・・。
今日も生かされ・・許され・・大きな感謝!!
9月は、私の誕生月、
社員さんに使わないご宴会場に案内されまして、
美しいコーラスと共に、長いろうそくののったケーキ、
ウルウルしながら、吹き消し・・・。
ほんとうに幸せ者!!
感謝しながら、社長と頂きました。
先週末、次女の婚礼がありまして、
遅まきながら、初めての新婦の母を経験いたしました。
社長はバージンロードを、娘とゆっくりと・・・。
ご列席の皆さまのおかげ様で、和やかな宴を持つことが出来ました。
葉月によせて・・・。
今年は八月に入りましても、
絵のような、抜けるような青空、
もくもくと上がる入道雲を拝める日は、
そうなかったような気がいたします。
その様な天候の中でも、
小湊の連夜の花火は、スタートの初日が中止になったのみで、
2日からは20日間休まず連日行われ,
お越しになった皆様には、目の前から上がる大輪に、
大きな感動をお届け出来まして、
はっきりしないお天気に、「今日は、大丈夫かしら?」等と、
毎日、空を見上げては心配しておりましたが、
お陰さまで、その心配は無用に終わりました。
お子さまのおられるご家庭では、そろそろ新学期に向け、
生活を切り替える準備に追われていらっしゃるのでは、
ないでしょうか。
先日、娘が帰省してまいりまして、
昔の古い写真を引っ張りだしてきました。
プールではしゃぐ姿、学校での行事に参加する姿、
四人四様、どれをとりましても、皆懐かしく、
その傍らには若かりし、主人や私も居り、
歳月人を待たず・・で、気が付けば、還暦をとうに過ぎ、
すっかり老境のお仲間入りを果たしましたが、
毎日、若い方々に囲まれ、日々新鮮な息吹を感じながら、働ける有り難さは、
何にもかえがたいもので、
『金持ちより、人持ち』と、
〈ケチ道〉を貫いた大阪マルビル元会長の吉本晴彦氏が、
おっしゃっていたのが、思い出されます。
暑さは、未だおとろえをみせず、残暑厳しい毎日ですが、
私を始め、表舞台の客室係、フロントの女性陣も笑顔美人で、
お客様の接待にあたらせて頂きたいと、念じております。
月末には、社員さんとの夏の慰労をかねた、夏仕舞い!!
今年は、鴨川グランドさんに、ご無理を言ってお願いいたしました。
蝉時雨の声を聞きながら、吉夢の夏も、残すところ後数日、
鴨川の稲刈りも始まり、
夕陽が落ちるのもわずかづつですが、はやくなってまいりました。
秋はもう近くに・・・、今日も生かされ、大きな感謝!!
本文でもふれましたが、沢山の逸話の持ち主でもある、
大阪経済界の吉本晴彦氏は、
大阪梅田の大地主の家に生まれ、幼い頃に両親を亡くし、
祖父彦太郎氏に「どケチ道」を仕込まれて育ち、
学徒動員の復員後に不動産業を始められ、
『ケチ』というのも、大阪人特有のしゃれっ気のひとつで、
「勿体な~い、勿体な~い、勿体な~い・・」の御経を唱える、
《大日本どケチ教》の教祖に就任、
「ケチとシブチンは違う。ケチは無駄な金を出さず、
出すべきときにはスパッと出す。シブチンはどんな金も出さない」が持論、
大阪マルビルを建てたが、バブルの崩壊後、マルビルの経営が悪化すると、
自宅を売却して私財を提供し、借金の返済に充てた。
生き金は惜しまぬ吉本流の真骨頂、
愛称「ケチ本さん」
座談の名手はどんな場でも質問に当意即妙に返し、笑いが起り、
大阪の面白さを体現し、将来の街づくりを提言、
発展に寄与した型破りでおもろい経済人だったそうです。
享年93歳 平成29年5月30日没。