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吉夢通信

吉夢通信一覧 女将

七夜月によせて・・・。

2015年07月27日
posted by 吉夢 女将

夏本番となりました!

 

先日、東京国際フォーラムで、

『公認会計士の日』記念特別講演会がございまして、

新聞で知り、応募したところ運良く当たりまして、

社長と出掛けてまいりました。

  
「観光立国への道」との題名で、

星野リゾート 代表 星野佳路氏の1時間30分に及ぶ講演でしたが、

頭の回転の速さ、90分の講演中、言葉はよどみ無く続き、

観光業の、表も裏も知り尽くした話に、思わず引き込まれ、

夢中で、私が要点と思った所にペンを走らせましたが、

帰って、いざまとめてみようと思いましたが、

さて、自分の書いた字ですら読めなく、

皆さんに正確にお伝え出来ず、申し訳けありません。

只、素晴しい講演だった事だけは、お伝えしておきたいと存じます。

その中で、ひとつ印象に残っておりますのは、

やはり、日本への海外からのお客様の増加に伴い、

私も常々、思っておりました、世界中に日本人のファンを作る、

観光は平和維持産業だと・・・。

  

是非とも、おいで頂いた外国の皆さまに、

日本を好きになっていただく、日本人を好きになっていただく、

そこから、まず始めましょう!!との、メッセージでした。

日本は、また行きたい国に、世界でも名を連ねております。

私達も自信をもって、日本の「お・も・て・な・し」を、世界の方々に、

広めてまいりたいと存じます。

 

忙しいシーズンを迎える前にと、

急いで、廊下の壁紙の修繕、夢亭の畳の入れ替え等済ませまして、

会長が、良く話してらした、

旅館業は自転車操業だという意味が、身に沁みて得心できる年となりました。

ですが、この歩みを止める訳にはまいりません、

やはり、常に変化、再生を繰り返し、

私共、旅館業も常にフレッシュさ、

惑わず新しい事にチャレンジする心意気を忘れずに、

向かってまいりたいと存じます。

 

これから、ご家族連れのお客様の多くおみえになる時期となります、

今年も、諸々の催しもので、

沢山の夏の思い出を、お持ち帰りいただきたいと、

先週の土曜日の午前中には、全体朝礼を開き、

夏に向けての社長からの熱い激励の言葉を、社員さん方と共有いたしました。

  

 ジャーナリストとしてご活躍の、瀬戸川 礼子女史監修の、

「女将さんのこころ その2」が、

旅行新聞新社より、発刊の運びとなり、

先日、緑色の綺麗な本が、手元に届きました。

数年前、旬刊旅行新聞のインタビューでお越しになり、

隣の館の増築等で、そちらを少しまた編集して下さり、

大変美しい本に仕上げて下さいました。

私を含め55名の全国津々浦々の、

現在、旅館・ホテルを切り盛りなさっておいでの、

女将さん方の、僅か数ページの物語ですが、

そこには、それぞれの個性、ひととなりが垣間見られ、

読みながら、「うん!うん!」と、頷いてみたり、

「凄い!」と、ため息を漏らしながら、少しづつですが読んでおります。

  

誕生寺さんでの、49日の納骨も無事に済み、

会長も、キラキラ光る星となって、

私達を見守って下さっていることでしょう。

来月は新盆、灯篭流しと母がまたお帰りになります。

「忙しいから、私の事は後回しで良いよ・・。」との声が聞こえてくるようです。

お客さまが沢山お見えの吉夢に、きっと安心して下さる事でしょう。

   

社員さん方達と、汗を拭き々の暑い夏も自然の恵み、

今日も生かされ大きな感謝!!

咲くときは渾身の力で咲け 輝くときは命がけで輝け

人間の一生は短い (荒 了寛師)

水無月によせて・・・。

2015年06月19日
posted by 吉夢 女将

雨に映える紫陽花の美しい季節となりました。

 

今日もシトシト雨ですが、フロントさんと、

夏のお子さま広場のイベントに必要な物等検討し、

急いで一緒に発注かけております。

 

今年も、8月1日からの連夜の花火、お子様プールその他諸々、思案中でございます。

好評のロビーでの潮騒コンサート、

そして今までボディートリートメント、

「凪」でご要望の多かったフェイシャルも、

エステティシャンが何とかご用意出来そうで、

次回、良いご報告が出来ましたら、こんなに有り難い事はありません。

 

今年も、皆さまに沢山の夏の思い出をお持ち帰り頂けますように、

スタッフと共に一丸となり、

笑顔で皆さまのお越しをお待ち致しております。

 

そして、私事となりますが、

吉夢会長として、半世紀以上を、

ホテルの発展のみを願い、尽くしきった母が、

今生のお役目を終え、6月の青い空がまぶしく輝く日に、

私達家族が見守る中、静かに旅立ちました。

  

神田生まれの一服の煙草をこよなく愛し、

他に贅沢品は一切持たず、只々ひと様へ、また寺院各所にお布施を欠かさない方でした。

私は、東京から嫁いでこの5月で、35年の月日を、毎日母の生き様を見させて頂き、

このブログで会長の事を触れさせて頂いたことも、何度かございました。

質素倹約を旨とした、大正10年生まれの、

一本筋の通った、それでいて情けに篤い温かな、ものの道理をわきまえた方でした。

婚礼の翌日、お部屋にご挨拶に伺うと、

「貴女も私も、吉田家の嫁に入った限りは、

暖簾を広げても、下ろす事だけはあってはいけない!!」と、

最初に言われた言葉が強く印象に残り、覚悟したものです。

そう申しても、若干26歳の何も判らない嫁で、

母には随分と苦労もかけ、やきもきさせた事でしょう。

この半年、病院と施設を何度か行ったり来たりし、

主人と私達兄弟家族が施設の主治医の先生と最後に決めた事は、

痛む事無く、苦しむ事無く、自然にと・・・。

 

先生も、江戸時代の頃の様にとおっしゃって下さり、

点滴なしの、全くの医療行為なしの介護と看護、

施設の方々の暖かな介護、看護には、

旅館業の私共でも、脱帽の手厚いもので、

それを、母に教えられた思いで、毎日施設とホテルを通い、

時には耳元で、ふるさと♪・・夫婦春秋♪を唄ってみたり、

いつか近いうちに訪れるであろうお別れに備え、

母のベットの脇で、越し方を振り返りながら、

想ひ出なるものを、書きとめました。

 

写真は、私が嫁いだバリバリ働いてらしたザ・女将58歳当時を中心に、

先代の写真、長兄 故副社長の写真も織り交ぜ、

会葬にお見えになった方に、母の人となりを、

ご苦労多かった人生の締めくくりに、

嫁としてつたない言葉でも、ご恩返しにと書かせて頂き作成し、

会葬の皆さまへお渡しいたしました。

 

これから、35日、49日、新盆と、

まだまだ、母と語り合う時は残っておりますが、

子が親を選んで生まれて来れるなら、

やはり生家の母を・・・。

そして嫁に入り、もう一人掛けがえの無い方を選べましたら、会長を・・・。

生家の母よりも長く共に人生を歩み、母と呼べました事に、

無常の喜びと、深い感謝を込めまして、

「会長!!お母さん!!今までお導き下さり有難うございました!!」と、

心から申し上げたいと存じます。

   

お花の大好きだった母は、沢山の生花に囲まれ、

沢山の皆さまに見送られ、布施の権化の方は、惜しまれながら逝きました。

 

日蓮大聖人が『先づ臨終の事を習うて後に他事を習うべし・・。』と、喝破され、

マザー・テレサが亡くなられた折、沿道で百万人の方々に見送られ、

愛の行為に全てを捧げ亡くなった後に、

遺されたものは、二枚のサリーと、身のまわりのものを入れる袋だけだったそうです。

その人生が、最高に豊かな人生だったとありました。

  

母も、まったく同様に、

全てを与え尽くして、何も持たず魂の故郷へ旅立ちました。

私のようなものが大変僭越ではございますが、

生前母に賜りました多くのご恩情に、

この場をお借り致しまして、伏して御礼申し上げます。

梅雨の雨も慈雨のごとく、今日も生かされ深い感謝!!

人生の最後に残るものは 集めたものではなく 与えたものである

(ジェラルド・シャンドリー)

早苗月によせて・・・・。

2015年05月28日
posted by 吉夢 女将

青葉繁り、吹き抜ける風がなんとも心地よい季節となりました。

   

ゴールデンウィ-クも、好天の中に過ぎ、

ここの所、小学校の修学旅行生の方々に、

毎日お越し頂いております。

 

営業の者も、調理場でも、

近年とみに増加しておりますアレルギーのお子さまの、

最善の対応に、何度も々話し合いを重ね、

他のお客様もさることながら、命に係わることですので、

細心の注意をはらって、安心安全なお食事を召し上がって頂こうと、

心と気を配り、対応させて頂いております。

    

先日も、栃木の小学校の養護教諭の方から、

またその保護者のお母さまからも、丁寧なお礼状を頂戴し、

随行された先生も、大切な生徒さんに何かあってはと、

随分心配されたようですし、

ましてや、ご自宅で初めての楽しい修学旅行に出掛けたご子息さまの、

無事のお帰りを祈ってらしたであろうご両親様の、

ご心労はいかばかりであった事と、察するところでございました。

  

  

翌日の朝、何事も無くご出発されましたが、

お昼の場所で召し上がる物が心配となり、

調理場でお弁当を作って頂き、営業の者がお届けし、

皆さんと楽しいお昼を、変わりなく召し上がられたと後で聞きまして、

社長が折々にいつも申します、お客様の身になって・・の思いが、

スタッフの皆にも、浸透しております事が、

傍におります私には、何より有り難く、

どなたかが、有り難いの反対語は・・・当たり前!!

と、書かれてましたが、有ることが難しい毎日の中で、

私達は許されて、生かされて在ることに、

そして癒しと共に、

大切な命をお預かりする宿業を生業とする者として、

これからも、当たり前ではない1日1日を大切に、

お客様に愛される宿になるべく、

良い事を心を込めて繰り返し、進めてまいりたいと願う今日この頃、

萌える木々も、吹く風も・・・、

有ることの難しい自然の恵みに、今日も生かされ、大きな感謝!!

   

明日死ぬかのように生きよ。  永遠に生きるかのように学べ。

(マハトマ・ガンジーの名言より)

 

母の日によせて・・・・。

2015年05月10日
posted by 吉夢 女将

青葉若葉を抜け、

肌にささやくそよ風の優しい季節となりました。

 

今日は、あそこの家でも、こちらのお家でも、

おかあさん!ありがとう!」の声が聞こえてまいります。

 

 会長へは、ドイツの弟夫妻より、そして私へも、女性社員さんより、

有り難いことに、毎年々頂きます。

 

カーネーション 赤きも 白きも ありがたし

   (日本の宿 古窯 女将 佐藤 洋詩恵さま)

花見月によせて・・・。

2015年04月27日
posted by 吉夢 女将

花見月とは、良く言ったものですね、

庭の芍薬の大輪が、今年も見事に咲きました。

  

2班に分かれましての鹿児島への社員旅行も、

皆元気に、無事帰って来れまして、

社員さんの「楽しかった~!!」の一言に、

こちらも、ホッと安堵いたし、

社長は、もう来年は何処にしようか?等と話してまして、

日頃、頑張って働いて下さっている社員さんに、

1年に1度、喜んで頂ける旅行をと、

毎年々、練に練って、企画致します。

   

今年は、100選でお会いしました指宿の白水館さんに、

ご無理申し上げ、勿体ない程の歓待を頂きまして、

砂風呂、温泉、お料理等すべて良しの名旅館を体験させて頂き、

何もかも・・私も、社員さんも刺激を頂きまして、

また今日からの活力となりました。

今年の新入社員さんも、若いって素晴しいです、

短い旅行で皆と打ちとけあい、

帰ってからも、毎日元気に明るく働いて下さってます。

   

お宿の前に行かせて頂いた知覧特攻平和会館は、

日本人ならば一度は訪れたい所、

私も今回念願叶いまして、お参りも出来ました。

バスの中での、ガイドさんの説明も歌も素晴らしく、

20歳前後の若者が、

夢も希望も愛する家族への思いも全て捨てて、

お国の為にと身を投げ出して、

その犠牲の上に、今日の、私達日本の平和があることを、

決して忘れてはならないと・・・、

振り返るよすがとなりました。

 

房総は、いつも書かせて頂きますが、

東京、神奈川の大都市からアクアラインを渡りますと直ぐ、

大自然満載!!

君津の山々を走り抜け、鴨川に入りますと、

見えて来るのは、大きな外房の青い海、緑萌える山並み、

旅行には持って来いの季節到来!!

 

今週末からは、5月のゴールデンウィークに入り、

近隣の施設でも、色々な催し物が沢山予定されており、

私共吉夢でも、ほんわか温泉、季節のお料理、爽やか笑顔で、

社員一同、皆さまのお越しをお待ちしております。

補足となりますが、最近お食事の時はお椅子が良かった!と、

ご希望のお客様が増えてまいりました。

どうぞ、ご予約の折、一言お伝えくださいませ、

出来うる限り、お客様のご要望にお応えしたいと存じます。

  

潮風薫る空の下、平和の有り難みを感じつつ・・

今日も生かされ大きな感謝!!

   

あんまり緑が美しい

今日これから

死にに行く事すら

忘れてしまいそうだ。

真青な空

ぽかんと浮ぶ白い雲

六月の知覧は

もうセミの声がして

夏を思わせる。

              作戦命令を待っている間に

小鳥の声がたのしそう

「俺もこんどは 小鳥になるよ」

日のあたる草の上に

ねころんで

杉本がこんなことを云っている

笑わせるな

本日13時35分

いよいよ知ランを離陸する

なつかしの 祖国よ さらば

使いなれた万年筆を かたみ に送ります。

(富山県 枝 幹二大尉 22歳 )

 

宮川三郎さんは出撃の前夜、

わたしのところにあいさつに来られ、

「明日わたしは沖縄に行き、敵艦をやっつけてくるから、

帰ってきたときには、宮川、帰ってきたかと喜んで下さい」と言うので、

「どんなにして帰ってくるの?」と尋ねたら、

「ホタルになって帰ってくる」というのです。

そしたら、約束の時間にホタルがやってきたんです。

富屋食堂の裏に小川が流れていたんですが、

そこに、一匹の大きなホタルがやってきて、白い花にとまったのです。

本当に大きなホタルでした。思わず、みんなに、

「このホタルは、宮川サブちゃんですよ」と言ったんです。

そして、みんなでそのホタルを見ながら『同期の桜』を歌いました。

(新潟県 宮川三郎少尉 20歳  特攻の母 鳥濱トメさんの話より)