吉夢通信一覧 女将
霜月によせて・・・。
庭の山茶花が一輪、また一輪と咲き始めました。
11月も、末の週になると何か気ぜわしい気になるのは、
私だけでしょうか。
そこかしこで、今年も残すところ・・・や、
カレンダーも後り1枚となり・・・の声を耳にするようになりました。
だいぶ遅れ気味でした隣の別亭の改修工事も12月に入り、
建設業者さんも決まりまして、やっと着工の手配が整い、
いよいよ来春3月中旬過ぎ、完成予定の運びとなりました。
念願だった分煙コーナーも、
ロビーフロント横に設置予定で、
クリスマス前には、皆さまにお使え頂けるようになります。
あそこも、ここも・・・、
目に入りだしたらきりがないのですが、
急いで修理すべきところ以外は、
社長がいつも話すように、
あせらず、ひとつ、ひとつ・・・。
一歩、一歩・・・・。
それは、社員さんの教育もしかり。
一昨日も、午前中は業務連絡会議、
午後から幹部会議と会議日でしたが、
1ヶ月に1回は、各セクションの責任者に集まって頂き、
話し合いを持つことは大変重要な事で、
これから私も、出て来た問題点を再検討、
また注文された物の中で、
お正月には、是非とも間に合わせたい物を吟味して、
発注をかけたいと思っております。
また、今回始めての試みとして、
台湾の女性2名を、ワーホリで6ヶ月間お預かりすることになりました。
半年間、吉夢で働きながら語学を学び、
残りの半年間は、日本のあちらこちらを見てまわりたいと、
期待と夢を持ってお越し下さいますので、
是非とも若い2人には、良い印象を持って、
1年後、お帰りいただきたいと、
今から12月を楽しみにしております。
過ぎ去った過去でも、
これから来る未来でもなく・・・。
「いまここ」ですべきことを大切に為して行く事が、
過去の経験を活かし、
良き方向に進路を進め、
結果、吉夢が存続出来うる道しるべが、
見つかって行くものと信じて邁進してまいりたいと存じます。
3・11以来・・・今年も、日本をはじめ世界中で、
台風等の自然災害による被害が多発いたしました。
今もって、ご不自由な生活を余儀なくされている方々が、
沢山おられます。
同じ地球船の住人、
偉そうなことを申すつもりは全くもってございませんが、
ほんの少しでも、心を寄せる時間が出来ましたら、
それぞれの場所で、数秒でも祈りたいものと念じて止みません。
秋も深まった紅葉の中、
今日も生かして頂き深く感謝!!
夜どおし
私を護ってくれた寝床に
「ありがとう」と合掌して
まず
トイレ
私の腹の中の汚れものを
待ってくれているトイレ
禅宗の人が 合掌して入られる心がわかる気がして
お念仏しながら 入らせてもらう
汚いものをかかえた私を 待っていてもらうしあわせを
感謝しながら
「すみません」とお念仏しながら
用事を終わると
手洗いの蛇口が待っていてくれる
蛇口をひねると
待っていましたというように
きれいな水
その手を洗う私を
手ふきが
待っていてくれる
何から何まで「すみません」とお念仏
洗顔
蛇口もひねるのを 蛇口が待ってくれている
歯ぶらしも
ハミガキも
コップも
みんな みんな 私を待ってくれている
私のような者を 待ってくれている
すみません
ありがとう
口を洗い 目を洗い
顔を洗わせてもらう
一日のはじまり
( 待たれているしあわせ 東井 義雄 )
時雨月によせて・・・・。
大型台風は、日本列島に甚大な被害の爪痕を残し、
走り去った10月でした。
皆さまの方は如何でございましたでしょうか。
最近は、暑い日は夏日を思わせるようで、
また寒い日は、冬の日に限りなく近く、
館内でも、ティッシュで鼻をかむ姿がちらほら・・・・。
落日も随分と早くなりましたが、
それに代わり見上げる空の星は、ため息がでるほど美しく、
小学校の時に行った五島プラネタリウムは、
幼かった私に、そして今以って、
宇宙の神秘をうえつけて、
大きく深呼吸すると、
一層、星の輝きが増すような気がいたします。
女将業は奥が深く、
手本の一番身近な母も、私が嫁いだ頃には、
もう完全無敵な「ザ・女将!」
今まで知り合った女将さん方も、
皆、輝く女将さん!女将さん!女将さん!
発する言葉一つも、人を動かすバイタリティにも溢れ、
つい『素晴しい!』が、言葉に出てしまいます。
比べるつもりなど毛頭ございませんが、
へこむ日も、多々あります。
そんな時、社長は、
「自分も、色々な会合や集まりに出て、
話上手な方、凄い方だなあーと思う方と沢山お会いするけれど、
人間の本来の能力というものは、
元来そう大差はないのではないかと思える」と、
ポジティブですね、そんな言葉が返ってきまして、
たしかに、後は自分なりに努力するか、しないかの違いで、
皆、アヒルの水かきのように、
きっと見えないところで、悩みそれをなんとか解決して行こうと、
日々、思いをめぐらせているのですね。
『本来の能力に大差はない』
その一言に支えられて、いまここを懸命に生きて・・・。
今までも、親や兄弟、
よっぽどのご縁で知り合いになった、様々な方の言葉が、
私の生き方に大きな影響を与えて下さいました。
何気ない一言でも、
相手の心に何年も、いや何十年も刻まれることがあり、
人に、認められ、信じられると大きな力となってあらわれ、
逆に否定的な言葉は、
相手を萎縮させ、傷つけ余計負のスパイラルに巻き込み、
結果として良い働きが出来なくなる。
至らないながらも、魂を磨く旅の道中、
知り合えた様々な方に、毎日共に働く社員さんに、
少しでも、貴女の・・・女将のあの時の言葉かけで・・・と、
言っていただけるように、
絶えず心を配ってまいりたいものと思う今日この頃、
だから、発する言葉は、潔く、優しくそして美しく。
今日も生かされ深く感謝!!
「朝のリレー」
カムチャッカの若者が
きりんの夢を見ているとき
メキシコの娘は
朝もやの中でバスを待っている
ニューヨークの少女が
ほほえみながら寝がえりをうつとき
ローマの少年は
柱頭を染める朝陽にウインクする
この地球では
いつもどこかで朝がはじまっている
ぼくらは朝をリレーするのだ
経度から経度へと
そうしていわば交替で地球を守る
眠る前のひととき耳をすますと
どこか遠くで目覚まし時計のベルが鳴ってる
それはあなたの送った朝を
誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ
(谷川 俊太郎 詩集 続より)
追って・・・・。
今月10月23日は、
会長である母の92回目の誕生日、
母の生きる背中に私は、幾度も助けられました。
今も傍らに居て下さり、只々ありがとうございます。
クアラルンプールの弟夫妻から、綺麗なお花が届きました。
お正月にお会い出来ることを楽しみに・・・。
長月によせて・・・・。
昔の方は、本当に素晴しいことを言われましたよね。
9月は、長月・・・・長夜月とも言われ、
ロビーにおりましても、
「秋の日はつるべ落とし」
先ほど光彩をはなっていた夕日が、あっと言う間にストンと、
山に落ち、海も町も一気に暮れてまいります。
秋のお彼岸も済み、
秋は少しづつですが、確実に深まってまいりました。
吉夢の館内も、
暑い夏の賑わいから秋へと移行して、
バスのお客様をお迎えする季節となりました。
全国津々浦々、私が行ったことも無い、
知らない街から、早朝に集合し、
千葉は房総小湊を目指して、
一路、バスに長時間揺られ、おはやいお客様は日の明るいうち、
遠方からお越しくださるお客様は、
夕日を見て頂けるか、頂けないかの辺りにご到着。
急ぎ温泉にお入りになられて、ご夕食。
ですから、やはりご宴会場のご挨拶は欠かせない私のお役目、
どんなに拙い話でも、
やはり感謝は言葉にしませんと伝わりません。
毎日やらせて頂いても、
襖の外で、心臓はドキドキ!!
いつまで経っても慣れません・・・・・。
社長のように原稿無しに長時間スラスラは、
私には到底出来ない芸当?です。
先日ちょっと目に致しました雑誌に、
江戸の町を活気にあふれさせ、
現代の日本を代表する企業=三井、丸紅、高島屋などの礎を築いた、
近江商人の商売の極意が載っておりまして、
傍を楽にさせる、傍楽商売。
1 世のため、人のために奉仕すれば、利益はあとからついてくる。
2 良い商品をお客様に提供できれば、自ずから繁盛する。
3 売ったあとに、いかに面倒をみるかが大切。
4 資金の少ないことを嘆かず、信用が足りないことを嘆き、
信用を得ることにまず励め。
5 お客様の『好むもの』より、『ためになるもの』を売りなさい。
6 いい商品を売ることは善い行いといえる。
7 紙一枚のサービスでもしなさい、何も無ければあなたの笑顔を分け与えなさい。
8 「正直な値段」で、一生懸命「正直な商売」が、商売繁盛のこつ。
9 つねに損益のことを考え、しつかり明らかにしないうちは、
夜寝てはいけない。(これは厳しい・・・。)
10 言い訳をせず、色々な努力や工夫をして、
儲けを出していくものである。
近江商人の十教訓というもので、
商人に商売の心得を色濃く影響与えたのが、
鎌倉時代、近江地方を盛んに布教して歩いた浄土真宗の僧侶だと書かれておりました。
商人たちは、商売を通して「人々の暮らしをもっと便利なものに、
また生きる喜びを与えることができる」と考え、
自分さえ儲かればというやり方では、いっときは繁盛しても、
長続きしない・・・あくまでも、
「人々のためになる」ことを目指したとありました。
良く社長が私に話して下さる「三方よし」も、
天秤棒一本で財をなした近江商人、中村治兵衛の遺言状「書置」にあり、
「売り手よし、買い手よし、世間よし」
お客様の喜び、満足、幸せの実現するような商品、サービスを提供する、
お客様がお店を支持し、ゆえに商売は繁栄し、世の中も良くなっていく。
まさに、この旅館業もこの道の通り。
「欲を少なくして足るを知る」
たとえ少しの利益でも、正直な商売でお客様が満足して下さったなら、
こんな嬉しいことはないと、感謝していく。
近江商人はまさに、自利利他、少欲知足を実践し、
感謝を忘れず、「三方よし」の志をもって、
こつこつと商人道を歩んでいったと結ばれていました。
私達も、この先人たちの編み出した考えを、
是非参考にしたい、またそういう時代に来ていると、
つくづく考えさせられる機会でした。
秋の夜長、ちょっと長く書き過ぎました・・・、どうぞお許しください。
お陰さまで、私事になりますが、
この9月で還暦を迎えさせていただきました。
大病もなくここまで来れましたのも、
天のお導き、地の恵み、社員さん始め、
多くの皆さまのお支えあってのことと、
書面をお借りしまして御礼申し上げ、
今後ともに、変わらぬご贔屓を賜りますようお願い申し上げます。
社員さんから、手作りの写真入りバースディーカード♪♪♪
有り難く々、リビングに飾らせていただきました。
お礼は、いつか倍返し!! 否、百倍返し!?
澄み切った秋空の下、今日も生かされ深く感謝!!
思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。
(マザーテレサの言葉より)
(荒 了寛師 今月のカレンダーより)
南風月によせて・・・・・。
燃えるような酷暑を乗り越え、
今年も厳しい夏が終わりを告げようとしています。
近隣では所々で、稲刈りも始まっており、
実りの秋は、もう直ぐ目の前に迫っております。
吉夢も連日、お陰さまで満員御礼、
海水浴のお客様はめっきり減りましたが、
まだまだ、毎日沢山のお客様で賑わっております。
8月1日からの連夜の花火も17日まで、
一日として欠かすことなく行われ、
お客様には、
目の前の防波堤から打ち上げられる大きな花火をお見せ出来、
アンケートにも沢山のお喜びの言葉を頂き、
天候にも恵まれ、有り難いの一言です。
お子さま広場も、小さなお子さまに手を引かれ、
おばあさま、おじいさま、おとうさま、おかあさま、
ご家族総出でお楽しみ。
卓球は、ちょっと大きくなられた小学生のお子さまが、
パパやママと、家族合戦!!
早朝にやられているお客様もおられて、
そうですね・・・・日頃は中々出来ませんものね。
この旅館業、日常を離れて・・・・忘れて頂いて、
お休みする処を変えて頂き、脱日常をご提供するお商売、
まだまだ、お叱りの言葉も頂戴し、
日々、変えていかなければの葛藤の毎日でもございますが、
目標はいつも高く、今までとは違った視点や角度で見てみる。
お客様のお声を、素直にお聞きする謙虚さ、
常に、変えよう、変わろうとする真っ直ぐな姿勢、
それが、ひいては吉夢が、お客様に好かれ、愛され、
長い間、ご贔屓いただける宿として存在でき、
意味のあるものとしての理由を、
見出すことが出来ると、祈り、信じる今日この頃です。
暑い夏を共に乗り越えた社員の方々と、
9月2日には、夏仕舞い♪
皆さんの沢山の汗を、社長も私も、絶対無駄にはしませんよ!
収穫の恵みの中、今日も生かされ深く感謝!!
自分が変われば 相手が変わる
相手が変われば 心が変わる
心が変われば 態度が変わる
態度が変われば 行動が変わる
行動が変われば 習慣が変わる
習慣が変われば 人格が変わる
人格が変われば 運命が変わる
運命が変われば 人生が変わる
(吉田屋旅館 昭和初期)
風待月によせて・・・・。
紫陽花や百合等の花の美しい季節となりました。
気象庁によりますと、今年は猛暑とのこと、
熱中症対策と、マスコミでも今から盛んに報じており、
どうぞ皆さまも充分お気をつけくださいますよう、
お願い申し上げます。
さて先日、文化人類学者の上田紀行氏のコラムが目に留まりました。
2010年に、米国、中国、韓国、日本の高校生、
千人ずつに対して行ったアンケート調査の報告で、
「私は先生に優秀だと認められている」に対して、
「全くそうだ」と「まあそうだ」を合わせた割合は、
韓国40%、中国54%、米国82%に対して、
日本は18%。
「親は私が優秀だと思っている」は、
韓国74%、中国89%、米国91%、日本33%、
「自分が優秀だと思う」は、
韓国47%、中国67%、米国88%、日本15%。
なぜ日本の子ども達は自分を優秀だと思えないのか。
それは大人たちから、
「おまえは優秀だ」といわれていないからで、
とりわけ親たちからそう言われていないことが見て取れると。
しかし日本人からすれば、
米国、韓国、中国の生徒が自分は優秀だと思っていることのほうが、
不思議に思える。
恐らくその秘密は、
「優秀さ」が学業だけで判断され、
「お前は心が優しくて、ほんとうにうれしい」
「この前のスピーチは感動的だったよ」と、
親が素晴しいところをほめる。
子供の教育の為ではなく、本当に両親がそのことを誇りに思っている、
ところが日本の「優秀さ」は、
学校の格付けや成績の序列に一元化されているため、
多くの生徒たちは自分たちが優秀だなどとはまったく思えないでいると。
「私は価値ある人間だと思う」は、
韓国75%、中国88%、米国89%、日本36%で、
それに対して、「あまりそうではない」を46%、
「全然そうではない」を17%の日本の高校生が選ぶ。
( 想像しただけでも、さみしいですよね。)
自分自身に価値があると思えない。優秀だと思えない。
そうした人間が集まったとき、
そこに序列をつけ、相対的な優秀さを競い、
価値の優劣を競うようになるのは当然の帰結であると・・・。
生きていることはかけがえのないこと、
それだけでどんな価値があることか。
そういった骨太な人生哲学を見失っているのは、
子供たちを育てる大人社会のほうで、
子供たちの多様な優秀さのあり方を発見できないのは、
大人が自分自身の優秀さに気づかず、
自らに誇りを持っていないからで、
誇りのない人間は誇りのない人間を育てる。
その悪循環から今こそ脱し、自分に誇りを持ち、
こんな素敵な子どもを持ったことに誇りを持つ、
そうすれば、人生はどんなに幸せなことだろうか。
と、そのような内容でございました。
私も4人の子の母として、
またお預かりしている社員さんの吉夢の母として、
それぞれの持つキラリと光る特性を見つけ伸ばし、
温かな言葉がけで育てていければと、至らぬ者ながら願っております。
7月を迎えますと、待ちに待った夏休み、
今年も、お子さま広場や卓球等、
ご家族皆で楽しんで頂ける催しものを、
社員さんと話し合って、ご用意したいと考えております。
梅雨の合間の青空の下、今日も生かされ深く感謝!!
「やってみせ 言って聞かせて させてみて
ほめてやらねば 人は動かじ」
「話し合い 耳を傾け 承認し
任せてやらねば 人は育たず」
「やっている 姿を感謝で見守って
信頼せねば 人は実らず」
(海軍大将 山本 五十六 人材育成の心得より)