吉夢通信一覧 女将
葉月によせて・・・・・。
熱く燃えたロンドンオリンピックは、多くの感動を私達に与え閉幕し、
8月も、あと数日と申しますのに、
暑さは衰えを知らず、厳しくしのぎがたい毎日が続いております。
こちらでは、農家の稲刈りも終え、新米の時期を迎えております。
館内でも、疲れから夏風邪をひいている人も、ちらほら・・・・。
皆、節電の中、良く頑張ってくれました。
お子様広場も、盛況の中終えることが出来、
来年もまた趣向をこらして、
楽しんで頂きたいと思っております。
親睦会主催の、恒例の夏仕舞いも、
9月に入ってからと、日程も会場も決まり、
暑さの中、共に駆け抜けた社員さんと共に、
秋にむけて英気を養いたいと思います。
私も常日頃、社長から、
大切な旅行にお泊りに来られたお客様に、
喜んでお帰り頂かなければ、
お宿業をなりわいとしている者として、
申し訳けないと、
何か、ことあるたびにお叱りを受けますが、
アクシデントは、絶好の?タイミングで、
試されるかのように起きるものです。
8月の繁忙期、
働かせすぎた製氷機は悲鳴をあげ、スタッフがロックアイスを購入に走り、
最大のとどめは、
ご来館いただく皆様に、
大変喜ばれる10階の露天風呂にタオルが詰まり、
温泉の循環をさまたげられる事となり、
せっかく楽しみに来られたお客様に、
多大なご迷惑をおかけしてしまいました。
なんで、よりにも寄ってこの時期に・・・・なのですが、
この宇宙を貫く、絶対の法則から言っても、
これは私の不徳のいたすところ、やはりすべては私の責任なのです。
二度とあってはならないとの、反省の意味を込め、
ここでいったんは立ち止まり、
自分を省みることをしなければならないと、強く思い、
この場をお借りして、ご迷惑をお掛けいたしましたことに、
深く々お詫び申し上げたいと存じます。
旅館業、お客様がいらして、
働いて下さる社員さんがいて、
今回、当たり前なんて、何も無いんだよと、また教えられ、
だから私はこれからも、たわわに稔る稲穂のように、
こうべを垂れて、日々起こるすべてに感謝をし、
進んでまいりたいと祈るこの頃です。
宇宙の・・・・神仏のはからいに、やはり今日も感謝!!
この人生において私たちは絶えず得て絶えず失い、
また失っては絶えず得ようとし、
それが生きることだ。
(女流作家 野上 弥生子女史)
(荒 了寛師 今月のカレンダーより)
七夜月によせて・・・・。
梅雨があけたとたんに暑くなり、
いよいよ本格的な夏がやってきました。
社員旅行も、2班共に滞りなく、
2次会、3次会と寝る間を惜しんで、
社員さん方も楽しんだ様子、
金沢の観光、夜を十二分に満喫して、
無事帰って来れました。
加賀屋さんでは、やはり学ぶところ多々あり、
いつも謙虚なお姿の女将さん、
美貌は言うまでも無く、女将業がすっかり板についた若女将さん、
総支配人さんはじめ、客室係や諸々の方々のお陰様で、
念願の有意義な旅行をさせて頂きました。
そんな余韻は、この暑さですっかりふっ飛び、
これから、いよいよ夏のシーズン到来。
毎年人気のお子様広場の用意も万端整い、
ご家族連れや、ご友人同士でおいで頂いた方には、
卓球台もご用意させていただき、
夜は、海辺で花火もいかがでしょう。
昨年好評頂いた、
当館、目の前から打ち上げられる花火も、
8月7、8、9、11、12、13、14、15日で、
予定されており、
10日は、大本山誕生寺さん恒例、灯ろう流しが行われます。
今年も、おいでいただきました皆様に、
楽しい思い出の1ページを作っていただきたく、
社員一同と共に、皆様のお越しをお待ち申し上げております。
今日もお読み頂き心から、感謝!!
話は、お宿の事から離れますが、
私も女将の前に、一人の母親として、
最近騒がれている、
大津の中学校等々の事件は、
真実が明らかになる度に、
言葉ではとても言い表せない、憤りと心痛む思いでおります。
ホテル前 誕生寺さんから頂いた、
今月の法話の中の詩が目にとまり、掲載させていただきます。
この命
おかあさまは たいへんな思いをして
おとうさまは やきもきして
二人のおじいさまは うろうろして
二人のおばあさまは 心配でハンカチを握りしめて
ひいおばあさまは 待ちに待って
そして私が生まれた
この命 粗末にできようか
(産経新聞 朝の詩より 神奈川県平塚市 川崎敬子)
水無月によせて・・・・・。
紫陽花の色が、
いっそう色濃く染まる頃となりました。
西日本では、先日の台風で被害に遭われた地域もあり、
小湊でも、今日は快晴ですが、昨日は上着が無いと、
寒いくらいの気候でした。
皆様の方は、如何でございましょう。
こちらでは、海開きに先立ち、
一昨日、1年に1回、この時期の一大イベント、
市内一斉清掃が、
朝から地域ごとに別れて行われ、
お天気にも恵まれ、無事終えることが出来ました。
私も、今年は持ち回りの当番の組長でもあり、
手には軍手、慣れない鎌と竹棒木を持ち、
首にはタオルと、すっかり成りきりまして、
終わった後の、気持ちの良い疲れと、爽快感!
海岸も、路地もすっかりきれいになり、
夏のお客様を迎える準備が整いました。
7月始めには、
昨年止む無く中止となった、社員旅行をおこなえることとなり、
2週にわたり、2班にわかれて、
昨年の企画のまま『そうだ 金沢に行こう!!』と銘打ち
日本1の宿、加賀屋さんのご配慮を頂き、
金沢へ実施の運びとなり、
社員さんも、中国の研修生も、
今からワクワク!!
客室係に至っては、ほぼ全員出席で、
皆、楽しみにしている姿を見て、
こちらまで、幸せな気持ちにさせられ、
この企画、諦めずにやらせて頂き良かった。
社長も、金沢在住の大学時代の友人と連絡を蜜に取り、
こういう時こそ、毎日苦労を共にしている社員さんに楽しんで貰おうと、
昼、夜の食事場所の情報等を知らせていただいたりして、
有意義な旅行にしたいと願っています。
皆のことですから、
かならずや、何かをそれぞれ感じ、掴んでくれるはず。
それが、今から楽しみでもあるんです。
たまには、こちらもお客様となって、
磨きぬかれた宿を見させて頂き、
日頃コミニケーションが中々取れないセクション同士、
おおいに語り、歌い、盛り上がり、
親睦を深めてもらえたら有り難いと思う。
何かに向かって皆が一体となる、
それが、吉夢の良さと、私は自負している。
旅館業、毎日々何も無い日が無いくらい、
様々な出来事がめまぐるしくあり、
お客様のお怒りで泣いたり、
お褒めで安堵したり、
新人さんの成長、
あちらを修繕、こちらを入れ替え、
走るフロント、時間に追われる清掃さん、
地下で、黙々と手を動かす調理、
事務所では、頂く予約の受け答え、
経理、総務のはじく電卓、伝表、ネット管理、
皆が、それぞれの場所で悪戦苦闘。
だから、そんな様子を遠くから・・・・近くから見させてもらい、
私は、やっぱり今日も感謝!!
選んではならぬ。
ひとつの立場を選んではならぬ。
ひとつの思想を選んではならぬ。
選べば、君はその視座からしか、
人生を眺められなくなる。
(フランスのノーベル文学賞受賞作家 ジッド)
早苗月によせて・・・・。
小湊の山々は、新緑に萌え、
一雨ごとに、緑が増してまいりました。
5月を迎えると、俄然元気が増すのが私共の社長、
「生まれ月は、やっぱり気持ちが良い!」と、
毎朝、5時に起きては内浦県民の森までの道をウォーキング!!
夫婦、元気が一番!何より有り難いと、思える年になりました。
今日は、私事ですが、東京から小湊へ嫁ぎ、
30数年の年月を迎えさせていただきました。
「若いうちの苦労は買ってでもしなさい!」と、
生家の母や兄に送り出され、東京から未知の土地に足を踏み入れ、
何も分らないまま、只々夢中で、
毎日々、目の前に起こる様々な事を何とかこなし、
4人の子供を授かり、
年月を経て今、静かに思えることは、
沢山の方々の許しの中で、
私は生き、生かされて来たという、
このただ一点に絞られると言えることでしょうか。
世の中には、成るべくして、今のある方、
えっ!あの人が・・・・・!の二通り在るとしたら、
私は、絶対後者のほうなのです。
不器用で、秀でた才覚、才能がある訳でも無い、
今でも、人前でのご挨拶は苦手で慣れず、ドキドキ!
そんな私がどうして・・・・。と、問われても、
人智を超えた大いなるものに、
やはり許されてここに居るとしか、言いようが無いのです。
以前読んだ、マザーテレサの修道会では、
空腹の人たちへの炊き出しがあり、
マザーテレサは、
配り終えて戻って来たシスターたちに、
受け取る一人ひとりに微笑みかけること、
ちょっと手に触れて、ぬくもりを伝えたか、
短い言葉がけを忘れはしなかったかと、
いつも、確認されたそうです。
言葉には、そこに愛がこめられている時、
起死回生の力があると。
「寸鉄人を殺す」という言葉がありますが、
短い言葉でも、相手を生かすことも、
殺すこともできるという意味ですが、
言葉は、日本人は言霊とも言い、
私が、いままで出逢った方々から、
頂戴した数々のぬくもりのある言葉を今日を機に、
みずから発していけるものになりたいと祈る今日この頃です。
はちはお花のなかに、
お花はお庭のなかに、
お庭は土べいのなかに、
土べいは町のなかに、
町は日本のなかに、
日本は世界のなかに、
世界は神さまのなかに。
そうして、そうして、
神さまは、
小ちゃなはちのなかに
( 金子みすゞ はちと神さまより )
母の日によせて・・・。
風薫る・・・・が、最も相応しい爽やかな、
今日の小湊の海。
今年も、有難いことに、
クアラルンプールに赴任した弟夫婦より、
真っ赤なカーネーションが母に届き、
早速、エレベーター前に飾らせていただきました。
フロントには、ホテルのお母さんへ・・・と、
一人の女性社員さんより、
かわいい熊さんの乗った花かごを頂き、
私にまで・・・・・・感無量!!
会長!
「墓に布団はかけてやられない!」と、
良く口癖のように、言ってらっしゃいましたね。
そんな、教えのひとつひとつが、
最近、身に沁みて感じれるようになりました。
私も、年を重ねた証拠でしょうか。
生家の母よりも長い年月を共に歩み、
今少し、お傍に・・・と、願うこの頃です。
何度言っても言い足りませんが、
「おかあさん!
沢山のみ教えをありがとうございます。
いつまでも、どうぞお健やかであられますように・・・。」
世界中のおかあさんへ、今日も感謝!!
この道はいつか来た道
ああそうだよ
あかしやの花が咲いてる
この道はいつか来た道
ああそうだよ
お母さまと馬車で行ったよ
( 北原 白秋 )