吉夢通信一覧 女将
水無月によせて・・・。
いつの間にか、
紫陽花は雨に濡れ、百合は大輪をつけて、
香り豊かに、咲き揃っております。
自粛解除に伴い、お陰さまで、吉夢も19日より約3ヶ月の間を経て、
本格的に営業再開の運びとなりました。
お宿業は、安全が命!!
お泊りになるお客様に、安心してお泊り頂けますよう、
フロントには、アクリルボードの設置、
ソーシャルディスタンスの為の、位置表示、
館内各所に消毒剤の設置、
スタッフにも、検温を始め、こまめな手洗い、うがい、消毒等、
毎日の健康チェック表の記入、
マスク、フェイスシールド、ブレスシールドの装着等々、
細かく取り決め、お願いしております。
何もかも初めての事ですので、皆で試行錯誤しつつ、
問題点をひとつづつ片付けながら、
再開前には、各客室を皆で念入りに清掃、消毒し、
営業再開を目指し、やってまいりました。
リーマン・ショック、東日本大震災、
昨年の千葉を襲った台風、間髪入れずの集中豪雨と、
いくつもの問題に対峙してまいりましたが、
今回のコロナほど、先の見えない、苦しいと申してよいのか・・、
経営者として、このような局面は、
言葉も出ないほどの、重いものとなっておりますが、
出てくる問題は、必ず意味ある事と捉え信じて、
これもきっと、宇宙の・・・、神仏の尊いはからいだったと、
いつかきっと言える日が来ると信じて、
愚直に、進んでまいりたいと存じます。
コロナウイルスの影響で、
一時的とは言え、CO2排出量が減っているとか、
ハワイの海は、日焼け止めオイル等に汚されず、
砂浜も今までに無く、綺麗になっていると聞きました。
何事も一方的に見たり、自分の利益の追求のみで申すのでは無く、
これからは、地球レベルの物の捉え方が、
大切になっていくのではと、少し考えさせられもしております。
そのような中ですが、
7月の末からは、いよいよ夏休みがやってまいります。
8月から毎日、ホテル前の小湊漁港の防波堤から打ち上げられます、
夏の空を彩る連夜の花火も開催となりまして、
また、毎年ご家族連れに大好評の、お子様広場等、今年も趣向を凝らして、
三密を防ぎ、よく熟慮して、執り行ってまいりたいと考えております。
或る日は、空や海面を紫色に染めながら、夕陽は山々へと沈んでまいります。
願いはいつか叶うものと星に祈り、
宇宙の営みに、今日も生かされ、許され深い感謝!!
2008年12月よりスタッフでスタートとなった吉夢通信ですが、
いつの間にか事務所のS・H女史が中心になって、
館内であった事、近隣に外出して出会った事柄を、
言わなくとも、いつも発信して下さっていて有難いです。
私などは、毎月忙しさに紛れて、
「わー!!もう月末になる~!」と、
パソコンに向かって打ち始めますと、
自身の、1ヶ月の反省のようなものが、
ドンドン浮かんでまいりまして、
今では私にとりましての、
良い見返りの、機会になっております。
また今日から、すべてを年のせいにせず、
心入れ替え、やっていきたいものと考えております。
早苗月によせて・・・。
≪憂きことのなほこの上に積まれかし、限りある身の力ためさん。≫
ニオイバンマツリの香り漂い、ユリの花も、随分と背を伸ばしてまいりました。
新型コロナ感染症の、緊急事態宣言の全面解除が発表され、
いよいよ、眠っていた身体と頭を、動かす時がやってまいりました。
午前中は、数人の幹部さん方と久しぶりに、これからのオープンにむけて、
やらなくてはならない事柄等々、話し合いました。
先ず、6月の12日金曜日、13日土曜日の両日、
県のまたがない千葉のお客様から、営業再開し、
6月19日金曜日より、本格的に営業開始してまいります。
まだまだ感染症も、終息に至っておりませんので、
まずは、受け入れさせて頂きます私共スタッフが、
健康管理を充分した上、
お客様の、お迎えから、お帰りまでの安心、安全を第一に心がけ、
努めてまいりたいと存じます。
私事になりますが、お陰さまで、この5月で小湊へ嫁ぎ40年の節目を迎えさせて頂きました。
旅館業の右も左も分らぬスタート、
毎日起こる一つ一つに、どぎまぎの連続でしたが、
「私の仕事を見て下さい!!」と、いつも胸を張って言えるような、
その様な仕事ぶりで、働かなくてはいけないと、
当時の社長である義母に、厳しく教えて頂いたこの言葉が、
今もって仕事に向かいます折の、指針となっております。
至らぬ嫁である私を、
一生懸命育てて下さり、導いて下さったと、
折に触れて、懐かしく有難く思い出されます。
これからの旅館業も、一連のコロナ感染症対策で掲げられました三密等、
社会と関わり合いながら、残しておくべきものと、
変えて行くべきものを精査し、
お越しいただくお客様に、心地良いお時間をお過ごし頂き、
スタッフ一同が、「私のやった仕事を見て下さい!」と、
各々のおかれた場所で、仕事にまい進出来ますよう、
私も、心を砕いてまいりたいと存じます。
5月の爽やかな風に木々は揺れ、旗はなびく、
今日も生かされ、許され大きな感謝!!
明るい方へ 明るい方へ。
一つの葉でも 陽の洩るとこへ。
やぶかげの草は。
明るい方へ 明るい方へ。
はねはこげよと 灯のあるとこへ。
夜とぶ虫は。
明るい方へ 明るいほうへ。
一分もひろく 日のさすとこへ。
都会(まち)に住む子らは。
〈 明るいほうへ 金子 みすず 〉
コロナ感染症拡大で、疲弊してしまった心が、
明るいほうへ、やさしいほうへ、あたたかいほうへ、
向かって行くことを、願ってやみません。
小湊の海は、今日もあかるく、やさしく、あたたかいです。
卯月によせて・・・。
新型コロナウイルスの感染拡大により、
日本はおろか、世界中が未曾有の危機にさらされております。
普段ならゴールデンウィークに入りまして、
私も気合が入り、館内人の動きで、活気のある時期ですが、
臨時休館という事になり、旅館業も厳しい状態が続いております。
今、春の房総、どこへ参りましても、花いっぱいが楽しめ、
季節も爽やかな、行楽には一番良い時期でございます。
昨年の9月の台風被害からの、修行ともいえる様々な事柄には、
全く持って手の打ちようの無い状態でございます。
人生、二者択一と、私はいつも捉えており、
少し歩くと分かれ道、そこで選択した道を歩いて行くと、
また分かれ道と、その様な事を常に繰り返して行くうちに、
60も半ばを過ぎ、今に至っていると言えます。
その時々に起こった様々な事に余り諍わず、
川の流れに乗るように生きて来たと、言えるのではないかと思います。
あの時・・・していれば良かった等は、余り考えた事は無く、
折々を精一杯、私なりに、天から与えて頂いた運命を、
踏ん張ってやって来たと、言えると思います。
それには、幼い時に父を亡くし、
嫁ぐまでの、20数年育てて下さった、信仰心篤い生家の母や、
やはり先代亡き後、女手ひとつで、旅館を盛り立て、
義母の智恵あるその姿を、30数年傍でずっと見させて頂いて来れた事が、
今の私の心の礎となっていると申して、間違い無いと確信しております。
ここまで脇目も振らずに走り続けて来て、
今この様な思いもしなかった時間を頂きまして、
これを次のステップに繋げるように、
良き選択が出来ますように、
今は自分をより深く見つめ直す、絶好の機会と捉えたいと存じます。
収束がみられた暁には、
疲れた皆さまの身体や心を癒せるのは、
温かな温泉と、美味しいお食事でお迎えする、
この宿泊・旅館業だと、強く自負しております。
八方手を尽くし、何がなんでも耐え忍び、
その日の訪れを、心待ちにしたいと、願ってやみません。
若草萌え、鯉のぼりは、青空にはためく、
大自然の営みは、日々怠ることなく・・。
今日も生かされ許され大きな感謝!!
生きる
谷川 俊太郎 詩
生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木漏れ日がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ
くしゃみすること
あなたと手をつなぐこと
生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ
そして
かくされた悪を注意深くこばむこと
生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ
生きているということ
いま生きているということ
いま遠くで犬が吠えるということ
いま地球が廻っているということ
いまどこかで産声があがるということ
いま兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまがすぎてゆくこと
生きているということ
いま生きているということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ
人は愛するということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ
新型コロナ感染症の1日もはやい収束を、
皆さまのご健勝を、
小湊の海より、心から願い祈るものです。
弥生月によせて・・・。
我が家では、桃の花、梅の花、桜の花、チューリップ、カラーと
それぞれの花が、それぞれのタイミングを待って、
一斉に咲き揃いました。
コロナ感染は、私ども観光業に、大きなダメージを与えて、
現在もまだ、収束、終息の見られない無い状態で、
日本国民挙げて、待ち望んでいた「2020年東京オリンピック」も、
来年に延期となりましたようで、
地球家族は、どちらの国をとっても、現在、大きな試練に立たされております。
吉夢も、3月、4月に入っておりました団体のお客様はすべてキャンセルとなり、
リーマンショック、東日本大震災よりも大きな試練が襲い掛かって来ております。
この波が去るのを、じっーと海の底で耐え忍ぶのか、
奮い立たせて、波に挑むのか、
皆目検討が付かない状態でおりますが、
日々に感謝しつつ、手探りしてでも、今、出来ることに、
全力で当たっていくしか術がないと、認識しております。
毎日、マスコミではマスク、アルコール消毒剤等の転売、品不足、買占めの問題が、
流されておりますが、このような時こそ、皆で助け合い、支え合い、
人として持たされてある優しさを、分かち合う時では、ないのでしょうか。
お陰さまで、小湊は昔ながらの小さな漁村、
街や家屋を抜ける春の風は、沢山の潮風のミネラルを含んで、
すーっと通り抜けて行きます。
今年は海温が高く、ひじきの生育が遅いと。
今日も、漁師の方々が、岩に自生した茶色のひじきを鎌で狩り、
大鍋で蒸かし上げると、真っ黒な日本一の太く長いひじきとなり、
私はそれを購入すると、
いつも、その中にこんにゃくや大豆、人参、油揚げを入れて、
春を丸ごと頂いております。
海に向かって、大きく深呼吸をしますと、
今起こっているモヤモヤした胸の思いが、雲散霧消致します。
自粛と言われましても、外に出掛けたくウズウズするこの季節、
館内は、このような時期、清掃は念入りに、消毒は欠かさず、
念には念を入れて、各部所、仕事にあたっております。
どうか一日も早い、終息を祈らずにはおれません。
神仏の創造された尊い星「地球」。
それを大気汚染、温暖化で汚すのも、
守り浄化するのも我々人間の仕業。
今日も、大自然に生かされ、許され、大きな感謝!!
先日、昨年秋の検診で病を得て6日間、
鴨川の亀田病院に入院、お世話になりました。
朝の情報ニュース番組から、
大好きなMr.Childrenの桜井さんの歌声、
30日から朝のテーマ曲として、放送されるようです。
タイトルは、「The song of praise 」
直訳は「讃える歌」
やり場の無い悲しみを、
先の見えない不安を、
思うように動かない現実を、
誰かのせいにするのではなく、
批判するのでなく
自分を、 誰かを、 何かを、
讃えようとする歌です。
1日の始まり、
テレビに映し出される誰か。
その姿を観た別の誰かが
「あなたがそうであるなら私も」
と希望や勇気で心を強くする。
そんなイメージで出来上がった曲です。
まだ不安な状況は続いていますが、
番組を通じて、今を生きる自分たちを、
互いに讃え合えるよう願っています。( 桜井 和寿 )
とのコメント。輝いて素晴らしい!!
そうですよね、いまこそ私たちは、
清濁併せ持つこの世の中に、一筋の灯りを一人ひとりが掲げ、
『私に何か出来る事がございますか?』と、
奪い合うのでは無く、与え合う世の中に、
して行きたいものと、節に願いたいと存じます。
梅見月によせて・・・。
今年も、沈丁花の季節となりまして、
「おはよう」「お帰りなさい」と、朝に夕に、
庭からほのかに漂う、香りの挨拶を受け、
このひとときだけでも、幸せな気分が増します。
昨年の9月からの数々の災害を乗り越え、
今年は心機一転!!と、はやる気持ちを抑えて、
令和2年の新春を迎えましたが、
観光業、旅館業全般を大きく揺るがす、
新型コロナウイルス感染症・・・。
厳しい・・の一言ですが、「この時踏ん張らないと!」の気持ちで、
気合いをいれて、なんとか毎日を過ごしております。
今は、一日も早い終息を、祈らずにはおれません。
そのような中、台湾からフレッシュな4名の方(内1名は3月に)が、
3年の就労ビザで、海を渡り吉夢の仲間入りに。
それぞれに付く客室係の先輩お姉さん方も、立候補という思い掛けない形で決まり、
本人達が書いた、志望動機の書類読ませて頂き、
先日のルーム会議の折も、皆が、
「自分もまだ不完全だが、教えながら、共に学び成長していきたい」と、
異口同音に言って下さり、
またまたおばさん?いやいやおばあさんは嬉しく、
胸熱くなってしまいました。
社長も、「自分の仕事をしながら、大変な中、一銭の得にもならない事を、
進んでやって下さり、ありがとう!」と、打ち合わせ会議での冒頭の挨拶、
素晴らしい!キラキラ輝いている!吉夢スタッフ!!
篤い志の皆に支えられて、4月には5名の新卒を迎え、
吉夢はまた更におもてなしに磨きをかけ、共に成長していきたいと、
「新型肺炎もなんのその!!」と、
笑顔で、お客さまをお迎えしたいと存じます。
ほら、春はもうすぐに。
今日も生かされ許され、大きな感謝!!
先日、日蓮聖人御降誕800年の前年祭として、
大本山誕生寺さんで行われました、「第1回お題目サミット」
「お題目をお唱えするすべての教団が、教義・主義・主張の垣根を越えて、
純粋な気持ちで、日蓮聖人が弘めて下さったお題目をもって、
その誕生の地である小湊に、兄弟姉妹一同が集い、
お題目を捧げ、日蓮聖人の御降誕をお祝いしましょう」と、
第84世石川日命貫主様が、発起人となり、
尊いお題目をあげる日蓮宗他、各教団が、一つに集い、意見交換し、
共に助け合い、「南無妙法蓮華経」の広宣流布と、
世界平和に向けての、精進を互いに誓い合う、
意義深い会合が行われました。
そもそも昔より、人を幸せに導く為の宗教が、
「自分の教え、教団だけが、正しい。」という排他的な思い込みから、
宗教戦争が生まれ、殺戮も厭わない争いにまで、発展しております。
生きて行くうえで、仕事でも、信仰でも、スポーツ、趣味、ボランティア等、
様々な活動で、自分を磨く。
それを、山登りで例えれば、登り方は様々あっても、
目指す、到る頂上は、皆同じ場所であると、
確かに思える、今日この頃でございます。