吉夢通信一覧 未分類
水無月によせて・・・・・。
紫陽花の色が、
いっそう色濃く染まる頃となりました。
西日本では、先日の台風で被害に遭われた地域もあり、
小湊でも、今日は快晴ですが、昨日は上着が無いと、
寒いくらいの気候でした。
皆様の方は、如何でございましょう。
こちらでは、海開きに先立ち、
一昨日、1年に1回、この時期の一大イベント、
市内一斉清掃が、
朝から地域ごとに別れて行われ、
お天気にも恵まれ、無事終えることが出来ました。
私も、今年は持ち回りの当番の組長でもあり、
手には軍手、慣れない鎌と竹棒木を持ち、
首にはタオルと、すっかり成りきりまして、
終わった後の、気持ちの良い疲れと、爽快感!
海岸も、路地もすっかりきれいになり、
夏のお客様を迎える準備が整いました。
7月始めには、
昨年止む無く中止となった、社員旅行をおこなえることとなり、
2週にわたり、2班にわかれて、
昨年の企画のまま『そうだ 金沢に行こう!!』と銘打ち
日本1の宿、加賀屋さんのご配慮を頂き、
金沢へ実施の運びとなり、
社員さんも、中国の研修生も、
今からワクワク!!
客室係に至っては、ほぼ全員出席で、
皆、楽しみにしている姿を見て、
こちらまで、幸せな気持ちにさせられ、
この企画、諦めずにやらせて頂き良かった。
社長も、金沢在住の大学時代の友人と連絡を蜜に取り、
こういう時こそ、毎日苦労を共にしている社員さんに楽しんで貰おうと、
昼、夜の食事場所の情報等を知らせていただいたりして、
有意義な旅行にしたいと願っています。
皆のことですから、
かならずや、何かをそれぞれ感じ、掴んでくれるはず。
それが、今から楽しみでもあるんです。
たまには、こちらもお客様となって、
磨きぬかれた宿を見させて頂き、
日頃コミニケーションが中々取れないセクション同士、
おおいに語り、歌い、盛り上がり、
親睦を深めてもらえたら有り難いと思う。
何かに向かって皆が一体となる、
それが、吉夢の良さと、私は自負している。
旅館業、毎日々何も無い日が無いくらい、
様々な出来事がめまぐるしくあり、
お客様のお怒りで泣いたり、
お褒めで安堵したり、
新人さんの成長、
あちらを修繕、こちらを入れ替え、
走るフロント、時間に追われる清掃さん、
地下で、黙々と手を動かす調理、
事務所では、頂く予約の受け答え、
経理、総務のはじく電卓、伝表、ネット管理、
皆が、それぞれの場所で悪戦苦闘。
だから、そんな様子を遠くから・・・・近くから見させてもらい、
私は、やっぱり今日も感謝!!
選んではならぬ。
ひとつの立場を選んではならぬ。
ひとつの思想を選んではならぬ。
選べば、君はその視座からしか、
人生を眺められなくなる。
(フランスのノーベル文学賞受賞作家 ジッド)
梅見月によせて・・・・・。
小湊でも来週より、
春の風物詩、ひじき刈りが始まります。
小湊のひじきは、外房の海に洗われ誇り高い、日本一の銘産品。
昨日は、ルーム主任のまみこさんより、
ふきのとうを頂き、てんぷらで昨晩、
残りは、蕗味噌作りに初挑戦!!
鴨川の苺も、そのままで充分甘い!
海岸をウォーキングしている社長も、
岩に張り付く長く伸びた茶色のひじきに、
頬をかすめる風に、
海はもう春だと話しておりましたが、
そう・・こちら房総では、
海の・・山のいたるところで、
確実に春の足音が聞こえてまいりました。
今朝の朝刊で紹介されていた、御手洗 瑞子女史は、
一年間、「国民総幸福量」を掲げるブータンで、
初代の首相フェローを昨秋まで一年間務め、
観光を担当され、のんびりした職場で、
「もりもり」働いたそうですが、
中でも、仕事に悩んでいた時に、
上司がかけてくれた言葉は一番の宝物だと話されている。
「こう思うことも大切だよ。『これでいいのだ』ってね」
貧富の格差や民族問題など、
現実のブータンは様々な課題を抱える。
でも人々は、「いろいろあるけど、いい国だろ」と、
胸を張っていたという。
それはつまるところ、
「自己肯定力の強さこそ、彼等の幸福感の原点。
多くの人にそれを伝えたい」と、話されている。
私なども、日々ついお客様のお言葉、アンケートや口コミに、
一喜一憂して・・・どちらかといえば、一憂が多いですが・・・。
その時に考えられる、最善のこと、
やることをさせていただいたら、
あとは「これでいいのだ!!」と、
あるところで、自分に踏ん切りをつけながら、
毎日を過ごすことは、大切なことなのだと、
つくづくこの文章に教えられました。
雨、風をしのげ、暖かい布団に包まり、
暖かいお食事がいただけ、
そんな毎日のありがたみを、
昨年は、骨の髄まで感じられる災害に遭遇し、
皆が、その痛みを共有したいと、
その方、その方の今出来る事柄や温かい手が集まり・・・。
いまだ困難を強いられる被災地の方々のご苦労には、到底及びませんが、
私達も、忘れずにこれからもずっとエールを送って行きたいと、
早春の海に祈るこの頃です。
「暗黒を嘆くより、一燈をつけましょう。
我々はまず我々の周囲の暗を照らす一燈になりましょう。
手のとどく限り、至る所に燈明を供えましょう。
一人一燈なれば、萬人萬燈です。
日本はたちまち明るくなりましょう」
(安岡 正篤)